幕府の命を受けた蘭学者・武田斐三郎が設計した国内初の西洋式城郭で、1857年に築城を開始しました。 1864年に竣工すると、箱館奉行所を五稜郭内に移転しました。稜堡と呼ばれる5つの角があり、星形の五角形となるため五稜郭と呼ばれます。ヨーロッパ各地に造られた城塞都市をヒントにしたもので、この形を「西洋式土塁」と呼びます。榎本武揚がここに籠り、戊辰戦争の最後の舞台になりました。1952年に、北海道で唯一の特別史跡に指定されました。その後、保存整備事業が進められ、石垣の修理や橋の架け替えが実施されています。2010年、郭内の発掘調査や図面、古写真などを参考に、奉行所庁舎全体の建築面積の3分の1が、伝統工法を用い復元されました。