二条城は江戸幕府を築いた徳川家康が、京都の守護と将軍の宿泊所のために築かせた城です。1626年、後水尾天皇行幸に合わせ大改修が施され、現在の姿となりました。本丸南西隅に五重天守、北西隅に三重櫓、東側隅に二つの二重櫓を配し、多聞櫓で囲まれていました。構造そのものは極めて単純ですが、防御強固のための工夫が各所に施されています。混沌とした幕末、最後の将軍・徳川慶喜による「大政奉還」発表の舞台ともなりました。二条城は江戸幕府の始まりと終焉を見届ける城となったのです。国宝に指定されている二の丸御殿は、現存する最古の御殿建築で、豪華絢爛な姿を伝えています。また、京都市内の多くの寺や神社とともに、世界遺産に登録されています。